10/4(木) 06:16
ラツィオが体現したサッカーの醍醐味
チャンピオンズリーグのグループリーグ第2節、ラツィオvsレアル・マドリーを観戦。セリエA第6節終了時点で11位と苦戦続きのラツィオが、リーガ・エスパニョーラで首位を走るレアル相手に、いかなる戦術を執るかに最も注目していました。
とはいえ、ラツィオは試合序盤にセットプレーからファン・ニステルローイに決められ、早くも先制点を献上。
実力、実績ともにラツィオを上回るレアルのゴールラッシュが始まると思ったのは僕だけではないはずです。
しかし、ここからラツィオの反撃が始まりました。先制点を許したショックを引きずらず、果敢に中盤でプレスを掛け続け相手のミスを何度も誘発。徐々にリズムを崩していくレアルを尻目に、ラツィオは試合の主導権を握り始めました。
相手ゴールをこじ開けたのは32分、パンデフが左45度の角度から浮き球をボレーシュート。相手GKのカシージャスが一歩も動けないほどの強烈な一撃で同点に追い付いたのです。
一度はラウール、ファン・ニステルローイの連係でレアルに勝ち越しを許したものの、それでもラツィオの勢いはとどまらず。
75分には再びパンデフが自慢の左足を振り抜き、ゴールネットを揺らしました。
その後もラツィオイレブンはドローで逃げ切ることなく、逆転を狙い最後までスペイン王者と互角以上の勝負を演じました。
この試合で2ゴールを記録したパンデフはもちろん、中盤を精力的に動き回りチームを助けたムディンガイ、ロッベンを完璧に封じたベーラミ、最終ラインからチームを鼓舞し続けたステンダルドら殊勲者は数知れず。
この日のラツィオはお世辞にもスペクタクルなサッカーではありませんでしたが、チーム全員が相手に臆することなく勇敢に勝負を挑んだ姿勢こそサッカーの原点であり、醍醐味であることを実感しました。
(野上/ワールドサッカーキング編集部)