3/3(火) 10:42
R・マドリーの選手がピッチに12人いるような……
2月28日のエスパニョール戦に2-0で勝利し、リーグ戦10連勝を達成したレアル・マドリー。3カ月前まで12も開いていた首位バルセローナとの勝ち点差は、とうとう4まで縮まりました。
今のR・マドリーの試合を見ていると、僕は彼らが11人より多くピッチにいるような“錯覚”に陥ります。そしてよく見ると、その“錯覚”は、ラウール・ゴンサーレスの能力によって起こされていることに気付くのです。
ラウールは極上の攻撃センスを有するストライカーでありながら、“ダイナモ”とさえ呼べるほどのスタミナと献身性を備えています。また、攻撃的なポジションならどこでもハイレベルにこなせる戦術的柔軟性も魅力。フアンデ・ラモス監督の就任以来、彼の存在感はこれまで以上に大きくなったように感じます。
相手ボールの時には前線から激しいプレッシングを見せ、攻撃に転じればパスの起点としてビルドアップに参加。ゲームメーカーの一人として、中盤のパスワークにリズムをもたらします。そして、隙を突いて一気に攻め上がると、次の瞬間には“本職”であるストライカーに戻ってラストパスを待ち構えているのです。その鋭いゴールセンスは、直近のリーグ戦3試合で5得点という結果を見れば明らかでしょう。
文字どおり“一人二役”の働きで、見る者の“錯覚”を引き起こし、チームに勝利をもたらすラウール。WSK編集部で“一人一役”にも苦戦中の僕にとっては、正直、まぶしすぎる存在です。首位バルサの背中が見えてきた今、偉大なるキャプテンがR・マドリーに栄冠をもたらせるのか、個人的にも期待しています。
(勝倉/ワールドサッカーキング編集部)