4/2(木) 08:33
進化を続ける欧州王者
「鬼に金棒」ということわざがあります。意味は「強い者が良い条件を得て、更に強くなること」。日常会話でも耳にするこの言葉は、サッカーの世界でも、強豪クラブが大物選手を獲得した時などに使われることがあります。
4月1日、2010年ワールドカップ予選でトルコを2-1で下したスペインが、同国歴代最高の31戦連続無敗記録に並びました。ユーロ2008の準決勝から続く連勝記録は11に更新。その強さを誇示しているヨーロッパ王者は、アウェーのトルコ戦で新たな戦い方を見いだし、更にパワーアップしました。
この試合、57パーセントのポゼッション率を誇りながらも0-1で前半を折り返したスペインは、後半に入るとホームのトルコにペースを握られてしまいます。劣勢ムードを断ち切りたいスペインが採った戦術は、彼らにあまりなじみのないカウンターでした。
67分、マルコス・セナに代わってサンティ・カソルラがピッチへ。ユーロ2008で両サイドを務めた、アンドレス・イニエスタ、ダビド・シルバの司令塔タイプと違い、この試合の67分以降は、左に先発出場のアルベルト・リエラ、右にカソルラと、突破力に優れるサイドアタッカーを配置します。
45パーセントという後半のポゼッション率から分かるように、スペインは、トルコにボールを持たせて戦いました。前掛かりになった相手からボールを奪うと、リエラ、カソルラの突破力を生かしたカウンター戦術を披露。これが功を奏し、見事に逆転したのです。
華麗な攻撃サッカーで欧州の頂点に立ち、FIFAランキングの首位に君臨するスペイン。この日には、劣勢でも点が取れる、カウンター戦術という“武器”を手に入れました。まさに「鬼に金棒」。名実ともに“無敵艦隊”となったスペインの無敗記録は、まだまだ続くことでしょう。
(勝倉/ワールドサッカーキング編集部)