5/22(金) 07:15
明暗分かれたUEFA杯ファイナリスト
5月20日、UEFAカップ決勝戦シャフタールvsブレーメンが行われました。結果は、延長戦の末シャフタールが2-1で勝利。ウクライナ勢として初めて栄冠を手にしました。
ウクライナのUEFAリーグ・ランキングは現在7位で、10年前と比べて10ランクほど上昇しています。2012年にはポーランドと共同でユーロを開催予定。シャフタールは、年々、サッカー界で大きくなる自国の存在感を、改めて世界に知らしめる重要な仕事を成し遂げました。
逆に敗れたブレーメンは、クラブに衰退の危機が迫っています。この日、司令塔のジエゴは出場停止でした。ジエゴは今シーズン限りでチームを退団する見通し。ブレーメンにとって20日のゲームは、タイトルを懸けた戦いであると同時に、来シーズンのシミュレーションとしての意味もあったはずです。
ジエゴがレッドカードをもらった準決勝第2戦から決勝戦まで、“ジエゴなし”で戦う準備期間は約2週間ありました。しかし結果は出せず、ブレーメンの選手は試合後、「ジエゴがいれば……」とコメントする始末。来シーズンの問題を解消するどころか、更に不安が膨れ上がる結果となってしまいました。
国内リーグで現在10位と低迷し、11年間チームを指揮しているトマス・シャーフの退団話も浮上。チームの“シンボル”ジエゴとともに、選手時代からブレーメン一筋であるクラブの“魂”シャーフまで抜けたら、いよいよ再建は困難となります。
危機的状況のブレーメン。ただ、希望はまだ残されています。それはドイツカップのタイトルです。30日に迎えるレヴァークーゼンとの決勝戦は、来シーズンへ勢いを付けるため、シャーフをクラブに留めるための最後のチャンスと言えるでしょう。果たして、ブレーメンの運命やいかに。
(勝倉/ワールドサッカーキング編集部)