編集部ブログ

12/3(木) 01:03
グループ突破に沸いたフィレンツェの夜
 前半にフアン・マヌエル・バルガスが決めたPKでの1点を凌ぎ切り、フィオレンティーナがリヨンとの激戦を制して1999-2000シーズン以来となるCL決勝トーナメント進出を決めた。この舞台に再び辿り着くまでの10年間、フィオレンティーナには大きな苦難と復活への歩みがあった。
 ガブリエル・バティストゥータやマヌエル・ルイ・コスタといった名だたる選手たちを有し、強豪と謳われていた90年代。豪華な選手補強を続けたチームは、2001年、経営破たんにより消滅への道を歩んでいる。その後、02-03シーズンにフロレンツィア・ヴィオラとして復活したものの、セリエC2からの再スタートを余儀なくされた。03-04シーズン、セリエB昇格とともに、元のフィオレンティーナへと改名。04-05シーズンにはセリエA復帰を果たすも、黄金期の強さを取り戻すには至っていない。しかし、05-06シーズンから指揮を執る、チェザーレ・プランデッリ監督の下、チームが徐々に力を付けてきたのも事実。06年にはカルチョ・スキャンダルによる勝ち点の剥奪で、チャンピオンズリーグ出場を逃すも、07-08シーズンからは連続出場を果たしている。
 16強進出を決めた11月24日の夜、アルテミオ・フランキは10年ぶりとなるグループリーグ突破をこの目で見ようと、詰め掛けた多くのティフォージで沸いた。今、フィレンツェの街は、かつての黄金期を築いたチームと、プランデッリ監督の長期体制で身を結んだ現在のチームを重ね合わせ、今後の躍進に期待を膨らませているのではないだろうか。

(宮城/ワールドサッカー編集部)