2/18(木) 06:19
ザックの命運はここからが勝負
批判の矢面に立たされていたアマウリのモンスターヘッド、チーム新記録となる445試合目の出場を果たしたデル・ピエロの2ゴール。
セリエA第24節、難敵ジェノアをホームに迎えたユーヴェは、2トップの活躍によってついに6試合ぶりの白星を挙げた。計5ゴールが生まれた激戦を制したことで、選手たちはわずかながら自信を取り戻せただろう。
この日、ザッケローニ監督が採用したのは、前節に続いて自身の得意とする3バック。なるべく早くサイドに展開し、中央へのクロスでアマウリのストロングヘッドを生かそうとする、“ザックスタイル”を貫いた。
結果的にこの采配は実を結んだ。最近のユーヴェに最も欠けていた意図あるクロスを取り戻し、フェラーラ政権時に見られたアバウトなハイボールを入れることはなくなった。サイドからの正確なクロスを呼び込めたからこそ、アマウリにも13試合ぶりのゴールが生まれたに違いない。
しかし、問題点を露呈したことも事実だ。特に守備においては、3バックの弱点であるサイドのスペースをケアしきれず、簡単に突破を許した。また、アマウリにクロスを合わせるという明確な仕事を引き受けたウイングバックも、90分トータルで及第点を付けられるほどの存在感は示せなかった。勝利したから良かったものの、仮に敗れていたらスタンドで暴れ回っていたユベンティーノが何をしでかしたか分からない。そんな内容だった。
不安定な戦いを続けるユーヴェは、勝利したとはいえ、まだまだ安心できない状況だ。今節の白星を次節以降に繋げられるか否かによって、ザッケローニの評価も大きく左右されるだろう。果たしてユーヴェは、CL出場権獲得の目標を達成出来るのか。北の3大クラブを率いた経験を持つ、名将ザックの手腕に注目したい。
(小松/ワールドサッカーキング編集部)