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バルサvsバレンシアでスペインサッカーの魅力を堪能/欧蹴紀行(4)
9月24日、カンプ・ノウで観戦したのは、リーガ・エスパニョーラ第4節、バルセローナ対バレンシア。ともに開幕3連勝で、シーズン最初のビッグマッチと言える試合だった。
マッチデー新聞 当たり前のことだがカンプ・ノウであらためて実感したのが、サッカーもテレビで見るのとスタジアムで見るのとでは、受け取る情報量、感動が格段に違うということ(客席とピッチが遠い場合、ボールを中心とした動きはテレビのほうが見やすい場合もあるが)。世界トップクラスのプレーだからこそ、そのことをより強く感じたのだと思う。
まず、カンプ・ノウでの生観戦では、2次元のテレビ画面で見ている時以上に、選手たちのプレーに凄みを感じた。例えば、エトオの野生動物を思わせるしなやかな動き、一瞬のスピードや、プジョルの体を張ったディフェンスの激しさだ。
自分にとっての生観戦の基準であるJリーグでは見たことがないようなハイレベルなプレーが随所にあり、本当に目を見張った。
ロナウジーニョ、エトオ(負傷離脱する前だった)、デコ、メッシらが織りなすテンポのいい攻撃には、「スペクタクルなサッカーとはこういうものか!」と唸らされたし、エトオとメッシの目にも止まらぬ早業のコンビネーションは、「今の、どうやって抜いたの?」と肉眼で確認しきれないこともあった。
中でも強い印象を受けたのが、デコのプレーだ。中盤でボールを受けると、前線やサイドにパスをちらしたり、自らドリブルで持ち込んでミドルシュートも放つ。ほとんどの攻撃はデコを経由しており、文字通り攻撃の中心として機能していた。
サポーターもすごい。ゴールキックを蹴る相手GKに対するバルサ・サポーターの指笛は、屋根に反響して耳をつんざく程の大音響だし、審判がちょっとおかしい判定をした時には、僕の周りの人たちが一斉に立ち上がり、手をふりかざして声を上げ、不満をあらわにしていた。
また、この試合では、サビオラがカンプ・ノウで「854日ぶり」に出場。レンタル移籍先のセビージャから復帰したものの、一時は今シーズンもバルサでプレーしないのではと思われていたが、帰ってきたサビオラをサポーターは暖かい拍手で迎えていた。エトオが長期離脱している今、グジョンセンとともに、一層の活躍を期待したい。
試合は前半、バレンシアが見事なカウンターからビージャが決めて先制したが、バルサも後半、途中出場のイニエスタが決めて、1-1のドロー。結果は引き分けだったが、スペインサッカーの魅力を堪能し、大満足の一戦だった。<続く>
(奥野/欧州サッカー通信)
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