9/9(木) 10:47
ドイツで花をつける"モリシ桜"
先日のパラグアイ戦で決勝点を奪い、日本代表の新エースに名乗りを挙げた香川真司選手。今でこそ得点力を武器にするMFへ成長した彼ですが、そのプレースタイルは"ミスター・セレッソ"森島寛晃選手の影響を受け完成したものとも思えます。
今シーズンよりドルトムントへ活躍の場を移した香川は、開幕からスタメンに定着。「キッカー」誌の採点では出場した2試合でともにチーム最高点を記録するなど、そのプレーはドイツでも高い評価を得ています。開幕戦のレヴァークーゼン戦では38分、左サイドでボールを味方に預けると中央のスペースに走り込み、あわやゴールという所まで迫りました。ボールのない局面での動きが最大の武器であることは香川自身も認めており、パラグアイ戦の得点を彼は「自分らしいゴール」と振り返っています。
セレッソ入団時はドリブラーだった香川がスタイルを変えたきっかけは、"ミスター・セレッソ"森島の引退でした。偉大な先輩が着けていた背番号8を引き継ぎ、香川は「自分がやらないといけない」という責任感を強くしたと語っています。エースの重責を担うことになった香川は、ドリブルでチャンスを作る従来のスタイルから、得点を挙げるスタイルへと転換を図ります。そんな香川にとって、J1歴代7位タイとなる94得点を記録した森島のプレーは最高のお手本だったはず。森島さながら、スペースへ飛び込みゴールを狙うプレースタイルを完成させた香川は2009年にJ2で得点王に輝くと、J1に昇格した2010年も11試合7得点という好成績を残し、ドイツへと移籍しています。
ドルトムントでも持ち味であるスピードで外国人選手を翻弄する姿が度々見られるようになってきた香川。そんな彼に一番期待しているのはもしかすると森島なのかもしれません。森島のプレースタイルを受け継ぎ、現役時代の彼のように得点力のあるMFへ成長した"ミスター・セレッソの後継者"の挑戦は、森島の価値を証明する戦いでもあるのではないでしょうか。
(石坪/ワールドサッカーキング編集部)