9/14(火) 09:50
ベテランの存在意義
今シーズン開幕から、30歳を過ぎたベテランの選手たちが活躍しています。マンチェスター・ユナイテッドのポール・スコールズ(35歳)は8月のプレミアリーグ月間MVPを獲得。チームメートのライアン・ギグス(36歳)も今シーズンでキャリア21年目を迎えました。また、ミランのフィリッポ・インザーギ(37歳)はセリエAの開幕戦でゴールを決めて健在ぶりをアピール。彼らは30代半ばを迎えた今でもトップコンディションを維持し、チームに貢献し続けています。
一般的に27〜28歳がキャリアのピークと言われるサッカー選手。30歳を過ぎれば、肉体的な衰えは免れません。また、ビッグクラブなら1週間に2回のペースで試合をこなすのが当たり前。過酷な日程に対応出来ず、苦労しているベテランは数多くいます。
それでも、マンチェスター・Uのアレックス・ファーガソン監督はベテランを大切にしています。彼は「年齢を重ねても技術は衰えない。また、豊富な経験は大きな武器だ」と、ベテランの長所を語りました。
ファーガソン監督はローラン・ブランやヘンリク・ラーションなどキャリアの晩年を迎えた選手をチームに加えてきた指揮官で、ベテランの重要性を誰よりも理解している人物。そんな彼が発したシンプルな言葉には、「技術や経験」という単語以上の敬意が含まれているように思われます。「技術と経験は、何年にもわたってトップレベルでプレーしてきた選手だけが手に入れられるもの」。ファーガソン監督は、ベテランの存在意義をこのようなメッセージで伝えたかったのではないでしょうか。
サッカー界の世代交代は想像以上の早さで進んでいます。バルセロナのリオネル・メッシ、ミランのパトら若手が注目されることで、ベテランにスポットライトが当たる機会は少なくなりました。ただ、ベテランにしか出せない特長や持ち味があることも事実。彼らのプレーに目を向けてみれば、新たなサッカーの楽しみ方を発見できるはずです。