3/17(木) 05:23
大地震
大地震が東日本を襲った3月11日、僕は八丁堀の職場にいました。ちょうど3月17日発売の「ワールドサッカーキング」の入稿日で、慌ただしく作業している最中。幸い、編集部は全員無事でしたが、一部ページのデザインを委託している会社が仙台にあり、連絡の取れない状況が続きました(その後連絡が取れ、無事が確認できました)。
改めて、今回の地震により被災された方々には謹んでお見舞いを申し上げるとともに、不幸にして亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
サッカー界にももちろん、大きな被害が出ています。仙台、鹿島、大宮、水戸のスタジアムには震災の爪跡が残り、鹿島アントラーズは無期限の活動休止を決めました。Jリーグの再開のメドは立っておらず、3月に予定されていた代表戦2試合も中止となりました。
そんな中、海外からは力強いエールが届いています。シャルケの内田篤人は3月13日のフランクフルト戦にフル出場し、勝利に貢献。試合後まとった白いシャツには「日本の皆へ。少しでも多くの命が救われますように。共に生きよう」というメッセージが記されていました。
ケルンの槙野智章は「日本の皆さん!! 俺は今から試合です。今出来る事は励ます事と、そして、プレーで皆さんに勇気を与える事。出場がある限り皆さんの為に精一杯戦ってきます。ドイツから日本の皆さんにエールを送ります」と自身のツイッターでメッセージを発信しています。
3月15日に行われたチャンピオンズリーグではインテルの長友佑都が勝利に貢献。白熱した試合展開の中、82分に交代出場、CL初出場を果たすと、その1分後、攻撃参加した長友が相手DFを惑わし、ゴラン・パンデフの決勝点が生まれました。長友は試合後、「どんなに離れていても心は一つ。一人じゃない。みんながいる。みんなで乗り越えよう。 You'll never walk alone」と書かれた日の丸を掲げ、被災地へメッセージを送っています。
僕が震災後、初めて見た試合がこのCLの試合でした。スリリングな試合の展開に、久々に大声を出し、夢中になれた気がします。そして長友の登場には心躍りました。サッカーを見ることが自分自身の活力になることを再確認し、日本人選手の活躍にこれまで以上に勇気づけられた思いがします。
ちなみに、混乱の中で何とか発売にこぎつけた3月17日発売号は、WSK6周年記念号。奇しくも海外で活躍中の日本人選手を特集しています。注目は各国現地ジャーナリストの日本人選手評価です。厳しいジャッジも多かったですが、僕の担当した長友と森本のページでは高評価も多く、同じ日本人が評価されているのはうれしい限りです。
WSK編集部は今、この困難な状況下で「サッカー雑誌として何ができるか」を考えています。僕もその一員として、サッカーが生み出す大きな力を、復興を目指す人々に伝えられたらと思っています。