4/2(月) 03:42
Close Up “CHELSEA”
監督交代で変化!?
退団説が絶えない“旧戦力”の処遇
オーナー主導によるクラブの方針転換、アンドレ・ヴィラス・ボアス監督の解任劇など、目まぐるしく情勢が変わる中で、チェルシーの主力選手の去就が改めて注目されている。長年にわたり、チームの躍進を支えてきたベテランたちの近未来を考察する。
◇指揮官の交代によりランパードは残留へ!?
ウェスト・ブロムウィッチにまさかの敗戦を喫した翌日の3月4日、「アンドレ・ヴィラス・ボアス解任」の報が世界中を駆け巡った。昨夏にクラブの再建を託された青年監督の《3年プロジェクト》は、わずか257日で終焉を迎えることになった。暫定監督としてロベルト・ディ・マッテオが就任したが、来シーズンには別の指揮官がやって来る。夏の移籍マーケットでの動きは、まだ見ぬ新監督の考え方によって大きく変わってくるだろう。
もっとも、現時点で確かなこともある。それはクラブの《絶対権力者》であるロマン・アブラモヴィッチの意向である。3月6日付けで『テレグラフ』紙が報じたところによると、オーナーはヴィラス・ボアスに成績不振の責任を求めた一方、ふがいないベテランや古参選手たちにも怒りをぶつけたという。指揮官解任直後の練習で、アブラモヴィッチは「残りの試合はチェルシーでの将来のために戦え」と選手たちに発破を掛けた。この言葉は単なる脅しではなく、フランク・ランパードやアシュリー・コール、そしてキャプテンのジョン・テリーですら、今後も青いシャツを着れるかどうかの保証はないという。
昨夏のチェルシーの若返り方策は、ヴィラス・ボアスの意向だけでなく、オーナーを含めたクラブの総意だった。この冬にニコラ・アネルカを放出したように、費用対効果が見込めなくなった選手は容赦なく切り捨てられる。それは何も、パウロ・フェレイラのようなピークを過ぎたベテランやサロモン・カルー、ミケルといった成長に陰りが見える中堅選手だけに当てはまる話ではない。チームの屋台骨を支えてきた主力選手でさえ、クラブから追い出される危険性を抱えているのだ。
とはいえ、今回の監督交代により、ランパード残留の可能性は高まったと言える。彼のレギュラーポジションを剥奪したヴィラス・ボアスが去ったことで、パリ・サンジェルマンやアンジ、LAギャラクシーへの移籍話は収束に向かうはずだ。同じく中核選手の中では、スペインへの移籍話がメディアをにぎわせているコール、スキャンダル続きのテリーも、現在のパフォーマンスレベルとサポーターの支持を考えれば残留が濃厚だ。
■Frank LAMPARD

1978年6月20日生まれ
推定移籍金:28.4億円
『天敵』の解任で残留の可能性が高まる。
(記事提供:ワールドサッカーキング)