編集部ブログ

4/10(火) 11:00
Close Up “MILAN” 〜契約満了を迎える功労者たちの処遇U〜
■中盤の重鎮たちは去就が不透明
欧州サッカー通信
 ミランで16年目のシーズンを過ごしているアンブロジーニ、同じく13年目のガットゥーゾという2人の《長老》も決してアンタッチャブルな存在とは言えない。10代で赤と黒のユニフォームに袖を通し、パオロ・マルディーニからキャプテンマークを託されるほどクラブとの絆が深いアンブロジーニは残留が既定路線だが、年齢的な衰えは明らかで、自信を持って残留するとは言い切れない。そんな彼には古巣のチェゼーナやジェノアなどが獲得を狙っているという情報も浮上している。

 昨年10月に試合中の接触から視覚障害を患い戦線を離脱していたガットゥーゾは、不屈のメンタルでトレーニングを続け、シーズン終盤に向けてようやく復活のメドが立った。彼自身は「無償でもここでプレーしたい」と更なる闘志を燃やしている。もっとも、シーズン後の去就は復活後のパフォーマンス次第。仮にマッシミリアーノ・アッレグリ監督から《失格》の烙印を押されることになれば、昨年末に接触を図ってきたロシアの新興勢力アンジ、あるいは彼自身が選手として飛躍を遂げ、以前から「グラスゴーで現役を終えたい」と語るレンジャーズへの復帰が有力だろう。

欧州サッカー通信
 ここ数年、中盤のクオリティーを高めてきたセードルフも今夏で契約が切れる選手の一人。以前に「プレミアリーグに魅力を感じている」、「今のミランはベテランへのリスペクトを欠いている」と口にしたことで物議を醸したこともあったが、既に首脳陣との関係は修復。かつては、シルヴィオ・ベルルスコーニ・オーナーが「アッレグリの後は、セードルフを監督にすればいい」と発言するなど、ミラノでキャリアを締めくくる可能性は高そうだ。

欧州サッカー通信
 シーズン後に契約満了を迎える選手の中で最も多くの出場機会を得ているのがファン・ボメルだ。名手アンドレア・ピルロを追いやり、アッレグリから全幅の信頼を勝ち取っているアンカーだが、そんな彼の残留も確実ではない。古巣である母国オランダのPSVが《凱旋》を待ち望んでおり、彼自身も「最後はPSVでユニフォームを脱ぎたい」と言ってはばからない。現時点では、残留と移籍の可能性は五分五分と見るのが妥当だろう。

 先述した4人のMFの中で誰が残留し、誰が移籍するのかは、今のところ全くの未知数。ただし、アドリアーノ・ガッリアーニ副会長を始めとした首脳陣が、こうした状況を見据えて中盤の補強に動いているのは周知の事実。フィオレンティーナのリッカルド・モントリーヴォやバルセロナのセイドゥ・ケイタの獲得が有力視されており、彼らの交渉が早期にまとまるようなら、ベテラン勢の処遇にある程度の見当はつくだろう。

(記事提供:ワールドサッカーキング)