1/11(木) 12:01
「和製アンリ」ではなく
中京大中京高の伊藤翔が、フランス2部リーグのグルノーブルに旅立った。労働ビザ発給が難しかったため、昨年入団テストに合格していたアーセナル入りはならなかったが、ヴェンゲル監督も高く評価する逸材で、期待は大きい。
183cm、67kgの長身FWで、そのプレースタイルから「和製アンリ」と呼ばれる。中京大中京高での背番号も、アンリと同じ「14」。
どうせなら、髪型も短髪にしたほうがいいんじゃない、似合いそうだし……と個人的には思ったが、本人の好みだから、他人がどうこう言うことでもないだろう。「好きな選手だけど、アンリはアンリ。オレはオレ」という自己主張の一部かもしれない。
振り返ると、これまでにも高校サッカー出身のスターで、「和製●●●●」と言われて期待された選手は何人もいた。しかし、残念ながらプロでは大成しなかった選手のほうが多かったのではないかと思う。
グルノーブルで頭角を現せば、フランスでも最初は「東洋のアンリ」などと呼ばれるかもしれない。だが、欧州でシーズンを重ねて「伊藤翔」のプレースタイルを作り上げ、確かな足跡を残すことが出来れば、その頃にはもう「和製アンリ」とは呼ばれなくなっているはずだ。
Jクラブを経ず、高校から欧州強豪国の2部以上のクラブに加入する、これまでにないケース。当面、見られるのはハイライトの試合映像だけだと思うが、欧州サッカーの楽しみがまた一つ増えた。
(奥野/欧州サッカー通信)