ドルトムントのマリオ・ゲッツェは9歳の時から下部組織に在籍し、エースナンバーである10番を背負い攻撃陣をする「ドイツの至宝」だ。昨シーズンの2冠や、今シーズンのブンデスリーガ2位、そして16年ぶりとなるチャンピオンズリーグ決勝進出に最も欠かせなかった一人だ。
ファンや関係者の誰もが「ゲッツェはドルトムントの顔。もし移籍をするなら外国のクラブ」と信じて疑わなかったが、CL準決勝ファーストレグ、対レアル・マドリー戦の前日、同じドイツのメガクラブであるバイエルンへの電撃移籍が発表された。
このニュースはたちまちドイツ中を駆け巡り、各都市の街頭にある電光掲示板で速報のテロップが流されるなど、その衝撃は凄まじいものがあった。
ゲッツェはそれから1週間後、CL準決勝セカンドレグの試合で、開始から15分も経たないうちに怪我を負い、その後の診断で左太腿の肉離れが......
【プロフィール】
鈴木智貴
静岡県天竜市(現・浜松市天竜区)出身。1981年生まれ。日本大学法学部卒。日本での社会人生活を経て、2010年夏よりドイツ在住。現在デュッセルドルフのアマチュアクラブでU-12監督を務め、プロチームの指導者になるべく修業中の身。昨年ドイツサッカー連盟公認C級(UEFA−B級)指導者ライセンスを取得。