東アジアカップは、柿谷曜一朗のための大会となった。2試合で3ゴールは満点解答である。8月14日のウルグアイ戦でも引き続き招集され、「常に門戸は開かれている」というアルベルト・ザッケローニ監督の言葉が嘘ではなかったことを証明した。これで国内組全体のモチベーションに著しい影響を及ぼすはずだ。
それにしても、改めて東アジアカップの日本代表を振り返ってみると、いいチームだった。選手それぞれの胸には、「海外組を含めた代表入りへのアピール」という思いが宿っていたはずである。そのなかで、チームとしての一体感を作り上げた。
韓国に勝利して優勝を手にした直後、豊田陽平は「今日はとにかく日本のために少しでも貢献する。それが大事だと思った」と話した。10分にも満たない出場時間は、アピールに十分でない。それでも彼は、「優勝に少しでも力になれたという気持ちが、いまは大きい」と続けた。
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【プロフィール】
戸塚啓(とつか・けい)
1968年生まれ。サッカー専門誌を経て、フランス・ワールドカップ後の98年秋からフリーに。ワールドカップは4大会連続で取材。日本代表の国際Aマッ チは91年から取材を続けている。2002年より大宮アルディージャ公式ライターとしても活動。最新著書に『不動の絆』〜ベガルタ仙台と手倉森監督の思い(角川書店)。『戸塚啓のトツカ系サッカー』ライブドアより月500円で配信中!