寝耳に水だった。
8月30日、ドイツ生まれのガーナ代表選手ケヴィン・プリンス・ボアテングが、日本代表DF内田篤人も所属するシャルケと4年契約の完全移籍で合意に至った。「生まれ故郷だから」という見方は確かにできるが、なぜこのタイミングでブンデスリーガへの復帰を果たしたのか。少し謎ではあったこの移籍劇だが、ようやくその理由が明らかにされた。
それは、イタリアからの「避難」だった。
シャルケのペーター・ペータースCEOが『スポーツ・ビルト』（電子版）に語ったところによると、イタリアでは人種差別のヤジがひどく、ボアテングはなんとしてでも同国を離れたかったという。そのため彼は、前所属クラブであるミランのシルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長と「UEFAチャンピオンズリーグのプレーオフを突破できた暁には、移籍の自由を認める」という密約をかわしていたとのことだ。<......
【プロフィール】
鈴木智貴
静岡県天竜市（現・浜松市天竜区）出身。1981年生まれ。日本大学法学部卒。日本での社会人生活を経て、2010年夏よりドイツ在住。現在デュッセルドルフのアマチュアクラブでU-12監督を務め、プロチームの指導者になるべく修業中の身。昨年ドイツサッカー連盟公認C級（UEFA−B級）指導者ライセンスを取得。