セルビア対日本戦が行なわれた10月11日の夜、ベオグラードのホテルでブラジルW杯ヨーロッパ予選を観た。主要国絡みのハイライト映像を慌ただしくチェックしたのだが、佳境を迎えたW杯へのサバイバルは苛烈である。
いつもなら興味のない国の戦いぶりにも、画面から目を離せない迫力があった。ベオグラードから車で1時間半のノヴィサドで見たセルビア対日本戦が、ひどく物足りなく思えてくる。
こちらは親善試合である。試合に向けた選手の入れ込み方が違うのは、避けようがない。
それでも、W杯予選敗退を受けて新戦力の登用へ踏み出したセルビアは、それなりの熱を注いできた。時差ボケが残る相手とホームで対戦するよりは、間違いなく強化につながる。
問題は日本の戦いぶりだ。
本来のパスサッ......
【プロフィール】
戸塚啓(とつか・けい)
1968年生まれ。サッカー専門誌を経て、フランス・ワールドカップ後の98年秋からフリーに。ワールドカップは4大会連続で取材。日本代表の国際Aマッ チは91年から取材を続けている。2002年より大宮アルディージャ公式ライターとしても活動。最新著書に『不動の絆』〜ベガルタ仙台と手倉森監督の思い(角川書店)。『戸塚啓のトツカ系サッカー』ライブドアより月500円で配信中!