リオネル・メッシはカンプ・ノウの観衆から見放されていなかった。
リーガ・エスパニョーラ第34節、ホームのアスレティック・ビルバオ戦で、スタンドはメッシの名前を連呼し、小柄な10番を励ました。後半途中出場のセスク・ファブレガスはブーイングで迎えられたが、同じ観衆はエースに愛情を示した。そしてアルゼンチン人もその声援に応えるように決勝点を決めた。
とはいえメッシが今シーズン、タイトルの懸かったゲームで決定的なパフォーマンスを示せなかったことは揺るぎない事実だ。ブラジル・ワールドカップが控えているから負傷のリスクを避け、力をセーブしているという意見もある。実際にそんな内容の信憑性の低い携帯のメッセージが多くの人に流布した。だが、そんなメッセージを表示された携帯画面を見せながら、周りのクレは僕に言う。
「メッシがなぜパワーをセーブしているのか。なんで全力を......
【プロフィール】
座間健司（ざま・けんじ）
1980年7月25日生まれ、東京都出身。2002年、東海大学文学部在学中からバイトとして『フットサルマガジンピヴォ!』の編集を務め、卒業後、そのまま『フットサルマガジンピヴォ!』編集部に入社。2004年夏に渡西し、スペインを中心に世界のフットサルを追っている。フットボールは2008−2009シーズンからビジャレアルのソシオとなり、定期的に試合観戦をしている。2012年よりフットサル、フットボールを中心にフリーライター＆フォトグラファーとして活動を始める