ミランが開幕戦でラツィオに3−1と快勝した。後半、ミランが押される場面が何度もあったが、いずれにしても開幕戦の勝利は、セリエA指揮官デビューのフィリッポ・インザーギ監督をほっとさせてくれただろう。
そして先制点を決めた日本代表MF本田圭佑に大きな変化が見られた。とにかく何よりもよく走り、スピードがあるプレーでボールタッチが多くなった。昨シーズンはどうしても本田の足の遅さが目立ってしまっていた。それに比べると見違えるようだ。ボールをもらえず孤立して、虚しくジェスチャーでアピールしていた姿がまるで嘘のようだった。
本人は「まだ課題がある」と言うものの、周囲の評価は及第点だ。後半、サリー・ムンタリの得点も本田が起点となっていた。中盤とのコンビネーションもうまくいっている。しっかりと戦術に組み込まれ、機能している。準備期間も十分あり、2年目でイタリアサッカーにも慣れたこともあるだろう。
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【プロフィール】
赤星敬子(あかほし・けいこ)
1969年1月14日、兵庫県明石市生まれ。神戸女子大学卒業後、91年に大阪日刊スポーツに入社。96年に退社後、サッカー好きが高じて97年1月、渡伊。99年夏からデイリースポーツ新聞社通信員として活動を始める。イタリア・サッカーやセリエAの日本人選手について、雑誌や携帯サイトなどに執筆中。イタリア・ジャーナリスト協会会員。ミラノ在住。