オウンゴールによる1−0の勝利は、率直に言って物足りなさを感じさせる。それでも、10月10日に行われたジャマイカ戦は悪くないゲームだった。
二つの場面を評価したい。
一つ目は49分である。武藤嘉紀がペナルティエリア外から右足ミドルを放った場面は、どんなプレーから始まっていたか。GK西川周作のゴールキックからである。
川島に代わって先発した背番号12の守護神は、足元のスキルを生かしてビルドアップに関わっていった。この場面でも相手FWの圧力を受けたが、右サイドへ開いたCB塩谷司に難なくつないでいる。
アルベルト・ザッケローニ前監督指揮下の日本は、CBがパスを受ける頻度が非常に高かった。プレッシャーを受けにくいポジションだけに、最終ライン中央へボールが下がってくるのは必然的ではある。それにしても多かった。......
【プロフィール】
戸塚啓(とつか・けい)
1968年生まれ。サッカー専門誌を経て、フランス・ワールドカップ後の98年秋からフリーに。ワールドカップは4大会連続で取材。日本代表の国際Aマッ チは91年から取材を続けている。2002年より大宮アルディージャ公式ライターとしても活動。最新著書に『不動の絆』〜ベガルタ仙台と手倉森監督の思い(角川書店)。『戸塚啓のトツカ系サッカー』ライブドアより月500円で配信中!